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New York Psychologist's Life

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Group Relationsカンファレンス2日目 その②

Group Relationsカンファレンス2日目 その②_d0004292_1635393.jpgMarlynとJessicaの激しい会話のやり取りが続いている。2人とも相手の言葉が終わらないうちに次から次へと発言しているので、他のメンバーが口を挟む隙がない。

しばらくして、代表として「世界フォーラム」へ参加しているShondaが、1時間ほど帰ってきていないことに気がついた。

Kathy「様子を見てきた方がいいかしらね。」
Hiromi「じゃあ、ちょっと私が行ってShondaを呼んで来ます。」
Kathy「お願いね。」

Shondaのいる部屋へ向かう。そこにはコンサルタントと他の代表が何人かいた。中央にコンサルタントと向かい合わせでShondaが一人座っている。扉から入ろうとしたら入り口のところで他の代表の一人に止められてしまった。

代表「何の用ですか?」
Hiromi「Shondaに会いたいのですが。Shondaー!」
Shonda「何かグループの急な用事みたいなので、行ってもいいですか?」
代表「そうね。じゃあ、いいわ。」

世界フォーラムの部屋から離れて話をする。
Hiromi「今からグループに戻って来られる?2人が議論でぶつかっていて、あまりいい雰囲気じゃなくなっているの。」
Shonda「行きたいんだけど、今は、ここでタスクがあって行かれないの。これから各グループの代表を2人ずつ出してもらって、広場でマネジメントグループから今起こっていることを説明することになっているから、2人代表を選ぶように伝えてくれる?そのぶつかっている2人のうちのどちらかを出すようにして。」
Hiromi「分かった。タスクが終わったら早く戻ってきてね。」

仕方なくまた小グループの部屋へ戻った。部屋に戻ったら既に他のチームから伝言があって、グループから2人広場へ出かけたと言うことだった。アフリカンアメリカンのMarlynとヨーロピアンアメリカンのMariaが話を聞きに行っているという。とりあえず議論は一時的に収まったようだ。

グループの人数は6人になった。また静かに多様性について話し始める。Jessicaがしばらく場を仕切っていたのだが、老婦人の一人に「いつもあなたはLeadershipの役割をしようとしているみたいだけれど、その義務を感じる必要はないのよ。」と指摘された。すると彼女は泣き出してしまった。

Jessica「私は自分の家族の中でも、他にそういう役割の人がいなかったから、気がつかないうちにいつもその役割を演じていたと思う。でも今指摘されて、初めてそのことに気がついたわ。」

彼女は姉御肌で明るくてとても頼りになるタイプなのだが、逆に皆を引っ張っていかなければいけないという義務感から、ずっと今まで頑張ってきてしまったのかもしれない。

***

その後は、皆で他の話題を話し始める。都市部でも違う人種は地域ごとに住み分けているという現状や、アメリカ全体の人種別人口比率などについて質問して意見を聞いてみた。

他には、私が初めてアメリカ出張したときの例を出して、コミュニケーション時の日米の表情の違いに関するカルチャーショックについて話をした。

日本人やアジア人は会話をするときに意味なく微笑むことが多い。しかし同僚のアメリカ人たちは会話の間、ほとんど表情を変えず笑わない人たちだったので、最初はどうも慣れなくて彼らが怒っているのかと思ったという話をした。皆、興味深そうに聞いてくれた。

他には、高齢化問題の進む日本について触れ、世代の多様性について話題に出した。

Hiromi「今後、人口の高齢化が進むと、高齢者と若者の差も広がってくると思います。日本では年上の人を敬う文化があります。アメリカではどうですか?日本でも最近は失われつつありますが・・・。」

何だか話しているうちに、悲しい気持ちがこみ上げてきて思わず涙が出てしまった。そのときは何でこんな気持ちになるんだろう?と自分でもよく分からなかった。

後から考えてみると、おそらく自分の無力感に対する悔しさがあったんだと思う。老婦人3人が1人の若者に言葉で攻撃されているのを間近に見ていたのに、何も助けてあげられなかったということが何だか悔しかったのだ。

アフリカンアメリカンの男性二人が、「アメリカでは残念ながらあまり年上の人を敬う習慣はない」と説明してくれた。皆の前で泣いているところを見せてしまってちょっと恥ずかしかった。

(続く)
by hicello | 2005-04-16 23:59 | 組織心理学
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