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New York Psychologist's Life

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ニューヨーク非営利組織の訪問

d0004292_17335145.jpg組織コンサルティングクラブ(OHDCC)のプロジェクトの一環で、顧客であるStreet Wise Partnersという非営利組織を訪問した。場所は、マンハッタンの中心部の42stにあるビルの22階である。Price Water House Coopersのオフィスの一角にあり、週末だけStreet Wise Partnersが研修場所を借りているそうだ。

このStreet Wise Partnersという非営利組織は1997年にウォールストリートで働く3人の会社員が中心になって設立された団体である。設立の趣旨は、低所得者層の人を対象に、アメリカの企業で働くためにビジネススキルの研修を行ったり、キャリアネットワークを築く手助けをするというものである。

アメリカの企業で職を得るには、個人的なネットワークが非常に重要になってくる。しかし、低所得者層の人にはこのきっかけとなる人のつながりがなく、企業で必要とされる仕事のルールも分からない。Street Wise Partnersはその点に着目し、低所得者層のクライアントのスキル開発の手助けをし、インターンを斡旋して企業とのつながりを作ることで、将来の企業への就職を実現することを目標としている。

この団体は、Lehman Brothers、CitiGroup、PriceWaterHouseなどの企業で働くボランティアが中心となって運営されている。1人のクライアントにつき企業で働く2人のボランティアのメンターがついて、半年に渡ってクライアントのキャリア構築を支援する。

クライアントの多くは高卒の低所得者で、1割は過去に犯罪歴があり、6割の人は生活のための公的給付金を受けている。年齢は40歳代が4割以上を占める。

一方、ボランティアであるメンターは口コミなどで集められ、4時間程度のカルチャー理解、紛争解決などのトレーニングを受けてからこのスキル開発プログラムにメンターとして参加する。昨年は400人ほどのボランティアが200人のクライアントのスキル開発に携わっていたそうだ。

10月の毎週土曜日にはMock Interviewや職場のロールプレーなどの職業訓練の演習が開催されている。今回、組織コンサルティングクラブ(OHDCC)のメンバーは、4回に分けて活動を見学させてもらえることとなった。

私が訪問したこの日は、マイクロソフトのExcelやPowerPointなどのソフトウェアを使ったワークショップが行われていた。受講者1人につき1台ずつコンピューターが割り当てられている。受講者1人の両サイドにボランティアのメンター2人が座って、バインダー1冊分の教材に沿って演習を進めていた。教室は2つあり、各教室に受講者10人とボランティアのメンターが20人ほどが参加していた。2クラス合わせて約60人以上の人が参加していた。

参加者を観察していると、受講者よりもメンターの方が若い世代の人が多いようである。受講者は30代から40代といった世代であるのに対し、メンターは20代後半から30代前半の若い世代だった。

受講者の人種は、圧倒的にアフリカンアメリカンが多かった。またメンターは、ヨーロピアンアメリカンやアジア系アメリカ人が中心だった。アメリカ社会では、人種による経済格差が大きいことがよく分かる。

一つのデスクの受講者の横に座って、学んでいる内容を見せてもらった。Soniという40代くらいのアフリカン・アメリカンの女性が、作成中の資料について得意そうに説明してくれた。彼女が演習で作成した商品の販売計画のExcel表や、チラシのデザインスライドを見せてもらう。

あるパワーポイントのスライドには、Soni自身の将来の夢について書かれていた。「3年後の目標:大学で人事関連の学位を取ること。5年後の目標:企業の人事として働くこと。」夢を持っているSoniの目はキラキラと輝いていてとても楽しそうだった。

d0004292_17312967.jpgSoniの作った資料を見て、しきりに感心していたら、Soniが私のために即席でスライドを作ってくれた。「Hiromiは日本人でCute、Intelligent、Niceな人です。」などと説明した3枚の資料を作ってアニメーションつきで図柄を変えてスライドショーで何度も見せてくれた。ちょっと照れくさかったが、うれしかった。ボランティアのメンターの2人は、温かい目でSoniの様子を見守っていた。

コンピューター演習が終わった後の1時間は、職場での行動に関するロールプレー演習だった。メンターと受講者に職場のケースが与えられて、それに対して良い態度・悪い態度の例をそれぞれロールプレーの形式で最後に発表するという演習である。

まずあるグループに、「仕事が勤務時間内で早めに終わってしまったときは上司に対してどのように報告するか」という課題が与えられた。良いロールプレーでは、社員役が上司役に仕事の終了を報告して追加の仕事の有無の確認をしていた。一方、悪いロールプレーでは「仕事が終わったので、早く帰りたい。」と言って社員役が駄々をこねるというシナリオで演じていた。

これはそれぞれジョークを交えた寸劇のような感じで、見ていて面白かった。クラス中が笑いに包まれて、とても和やかな雰囲気になっていた。

アメリカの社会は厳しい競争社会だが、その一方で、こうして弱い人たちに手を差し伸べる優しい人たちもいる。心が温かいもので満たされていくようで嬉しくなった。今後、プロジェクトを通してStreet Wise Partnersの役に立てることはとても喜ばしいことだと思う。
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by hicello | 2005-10-29 13:08 | 組織心理学

直球と変化球

d0004292_1441041.jpg「組織ダイナミックスと理論」のグループワークでJPMorgan社員のインタビュー調査をすることになった。チームメイトの日系アメリカ人Keikoと一緒に夕方からインタビューを実施。その後、Keikoと夕食をとりながら日本とアメリカの文化の違いについて話をした。

アメリカ人と日本人のコミュニケーションの取り方には、かなりの違いがある。相手と話をするときに、アメリカ人は直球を使うのに対して、日本人は変化球を好む傾向があるようだ。

アメリカ人の発言には裏がなく、ストレートな表現で思ったことをそのまま相手に伝えている。それに対して日本人は、婉曲な言い回しで言葉に表れない思いを含ませていることがある。さらに、自分の発言の裏に隠れた本心を相手が自然に察してくれることを期待している。この日本人の「察する」文化については、確か土居健郎さんの「甘えの構造」に紹介されていたような気がする。アメリカで生活をしていると、この文化による意思疎通の違いがとてもよく分かる。

Keikoが大学時代に日本人の友人とルームシェアをしていたときにも、その友人とのコミュニケーションに文化の違いを感じたそうだ。その友人はKeikoの食器洗いの仕方に関して不満があったそうだが、しばらくその気持ちを表現せずにいた。何かのきっかけで突然、怒りが表面化して喧嘩になったという。

Keikoは「不満があるなら、何故最初からストレートに言わないのだろう?」と疑問に思ったらしい。逆にそのルームメイトは、直接に言わなくてもそのうちに自分の本当の気持ちを推し量ってもらえるものだと期待していたのだろう。

日本人は、婉曲な言い回しをして、その場の雰囲気から相手に自分の意味するところを察してもらおうとする。これは相手を傷つけまいとする思いやりの一つなのだと思う。しかし、この方法はアメリカ人が相手の場合は通用しない。

アメリカ人は一般的に、発言をそのまま相手の意図として読み取る。「雰囲気から相手の本心を察する」という日本人の心理プロセスにはどうもあまり馴染みがないようである。また相手と衝突することも相手を理解するために必要なプロセスと考えており、ストレートな言い方をされて傷つくということもあまりないようだ。議論とその人との関係は別物として完全に切り離しているのかもしれない。

最近、「紛争解決の基礎」の授業で習ったFramingという概念を思い出した。人はそれぞれ考えの枠組みとなるフレームを持っている。このフレームはそれぞれが育ってきた環境や経験、価値観によって異なる。目の前で起こっている一つの問題も、異なるフレームを元にして解釈すると全く違ったものになってしまう。

異文化間のコミュニケーションでは、自分のフレームで相手の行動を判断するとどうしても誤解や衝突が生じやすい。私も、日本人独自のフレームで相手を判断していないか見直す必要がありそうだ。

Lewicki, R. J., Saunders, D. M., Barry, B., Minton, J. W. (2004). Essentials of negotiation, Third Edition.
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by hicello | 2005-10-28 12:26 | 組織心理学

言葉の壁

d0004292_1537193.jpg「組織ダイナミックスと理論」のテストが終わった。問題は、全部で10問。10パターンの会社のケースを渡され、企業のマーケティング戦略、合併後の組織改革、不況下の製造業の生き残り戦略、家族経営企業の後継者問題などについて、授業で学んだ組織理論を使って分析し、解決策を論じる問題だった。

アメリカ人も時間が足りなくなるような記述試験だったので、英語がネイティブでない私にはとてもきつかった。このクラスにいる生徒42人中、ネイティブでない留学生は私、Dennis、Wongeunの3人だけだ。こういう難しい記述試験を受ける度に、どうしても言葉の壁を感じてしまう。部屋に戻ってがっくりと落ち込んでいたら、Wei-YaとSireneになぐさめられてしまった。

今までの自分を振り返ってみた。大学でチェロを習い始めたとき、会社に入って初めて情報技術の勉強を始めたとき、いつも周りの人との大きなレベルの差を感じながらも追いつこうと頑張ってきた。しばらく挑戦を続けているうちに、ふと気がつくとチェロも仕事も楽しめるようになっている自分がいた。

3年前に亡くなったチェロの先生に言われた言葉を思い出した。「思うように弾けないなと思ったときは、上手になる時なんだよ。その壁を乗り越えると、また一つ上の段階に進むことができるんだ。」今回の言葉の壁の問題も、自分が一つ高いレベルに上がるための学びのチャンスなのかもしれない。
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by hicello | 2005-10-26 12:45 | 組織心理学

すべての出会いに感謝!

d0004292_1242517.jpg朝起きて、ドアの前に誕生日プレゼントを発見!組織コンサルティングクラブ(OHDCC)のオフィサー仲間であるJane、Qing、Nate、Michelからカードとお菓子、りんご、アイマスクなどをもらってしまった。このユニークなプレゼントはどうやらJaneの企画らしい。面白い人たちだ。

日本に留学している友人のMichaelからもメールをもらった。昨年の誕生日にMichaelたちとチーズケーキを食べてお祝いしたことを思い出した。あれからもう1年も経ってしまったのか。

同じスイートで姉妹のように暮らしてきたSireneも今年いっぱいで寮を出てしまう。今は毎日のように会っている仲間たちとも、来年の今頃には遠くに離れてしまってそれぞれの道を歩むことになると思うと不思議な気持ちになる。

人類60億人のうち、実際に知り合う人の数はごく一部にすぎない。自分が生きている間に出会う人は、自分にとって何かの縁がある人なのだろう。今この瞬間一緒にいる人たちは、偶然に同じ空間にいて同じ時を共有している貴重な人たちなのだ。

以前、鈴木秀子さんの「死にゆく者からの言葉」を読んで、自分が死ぬ瞬間について考えたことがある。この本は末期がん患者など死期が迫った人と著者の対話をもとにして書かれており、内容が濃く示唆に富んだ本である。

著者によると、人は死期が近づくと自分の人生の意味を見つめなおして、未解決の不和の関係を修復し、心のつながりを重視した愛のある生き方をしたいと望むようになるという。家族を省みず仕事一筋で名誉や地位を追いかけて心を閉ざしていたような人も、死を前にすると自らの誤りに気がついて生き方を変えるらしい。

当たり前のように平穏な日々を過ごしているうちに、自分の人生で何が大切な事なのかつい忘れてしまう。人間は誰でも年をとり死んでいく。財産や地位を死後の世界まで持っていくことはできない。死ぬ瞬間に残るものは、その人と過ごした思い出だけである。すべての出会いに感謝して、人のつながりを大切にしていきたい。
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by hicello | 2005-10-24 16:40 | 友人

ちょっと早めの誕生日

d0004292_1654927.jpg寮のスイートメイトが1日早い誕生日のお祝いをしてくれた。Oliviaがアボガドと豆のサラダと、瓜とシナモンのパスタを作ってくれて、スイートメイト全員でご飯を食べた。

食後のデザートはチョコレートケーキ。Happy Birthdayの歌を歌ってろうそくを吹き消した。Wei-YaとSirene, Kyokoちゃんからプレゼントをもらってしまった。いろんな人からメッセージも送られてきた。皆、中間テストの前で忙しいのに優しいな。感謝の気持ちでいっぱいになった。

沢山の素敵な友人たちに囲まれて、私はほんとに幸せ者だ。私ももっと心に磨きをかけて、周りの人に幸せを分けられるくらい精神的に成熟した魅力的な女性になりたいな。
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by hicello | 2005-10-23 16:16 | 友人

エンジニアリング・スクールのイベント演奏

d0004292_1302411.jpg今日はBonsai Quartetのメンバーと共に、エンジニアリング・スクールでのイベント演奏をした。場所はコロンビア大学法律大学院(Law School)の隣にあるFaculty Houseだ。今回のイベントはコロンビア大学の地球技術センター(Earth Engineering Center)が主催するものである。WIERT(Waste-To Energy Research and Technology Councilといって、ゴミをエネルギーへ変えて地球環境の資源を有効活用する方法を研究しているCounsilの研究者たちが集うディナーパーティである。研究者や実業界の人など約80人くらいの人が集まっていた。

演奏したプログラムは、以下の通り。
モーツァルト 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」1楽章
パッヘルベル 「カノン」
ジョップリン 「エンターテナー」
日本の歌(Mimi編曲) 「サクラ」
バッハ 「G線上のアリア」
ドヴォルザーク 「アメリカ」1楽章

今回はバックグラウンドミュージックではなく、演奏会のように聴衆がカルテットに注目する中での演奏だった。それぞれの曲を演奏するごとに会場全体から拍手をもらって、演奏終了後には出席者の多くの人に良い演奏だったと声をかけてもらった。

しかし、自分の中では4人の合わせの練習をもう少し増やしていれば、もっと良い演奏ができたかもしれない・・・という思いが少し残ってしまった。

室内楽はメンバー同士の呼吸を合わせた動きが重要なので、合奏の練習は多ければ多いほど良い。プロの演奏家の室内楽を聴いていると、細かい一つ一つの音に意識が行き届いており、演奏者同士で協力して一つの音楽を作り出している様子がよく分かる。それぞれの演奏者の息のあった演奏にはその場の空気を変えてしまう力がある。演奏に引き込まれていくうちに輝く音の波が聴衆と演奏者を包み込んで、日常から離れた一つの異空間に入っていってしまうような心地よさを感じる。

まだ私はとてもそんな魔法のような演奏レベルには達していないけれど、いつかは室内楽の演奏者として聴衆を包み込むような心地よい瞬間を生み出せたらいいなぁと思う。
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by hicello | 2005-10-20 11:16 | 音楽

アメリカのみかん

夕方、気分転換にスーパーに買い物に行ったら、みかんを見つけたので思わず買ってしまった。試験勉強が一区切りしたところで、わくわくしながら皮をむいた。食べてみると、みかん一房につき種が3つ以上、多いときは6つも入っていてとっても食べにくい。

d0004292_14384873.jpgこのみかん、見た目は日本のみかんとほとんど変わらないのに、味はどちらかというとオレンジに近い。

「そうか・・・君はやっぱりアメリカ生まれなんだね。」

私は甘酸っぱくて柔らかい日本の種無しみかんが好きだ。そもそも日本の種無しみかんが普通のみかんだと思っていたが、よく考えたら植物たるもの、種があるほうが自然なのではないか。種無しみかんは、種がないのに何で増えるのかなぁ。コワイ。

調べてみたところ、みかんの仲間は世界で900種類ほどあり、種無しみかんは「温州みかん」という日本独自の品種らしい。400年前、中国から入ってきたミカンが鹿児島県長島で突然変異を起こし、種なしみかんが出来たということである。鹿児島県の長島東町には約300年以上前の温州みかんの古木が見つかっているという。

みかんは日本人が一番よく食べる果物だ。1世帯当たりの果物の年間購入量は、第1位みかん(20キロ)、第2位りんご(16キロ)、第3位バナナ(15キロ)の順である(総務省平成14年「家計調査年報」より)。

みかんの効用は何か。オレンジなどの柑橘類に含まれる「Bクリプトキサンチン」という物質には、がん予防の効果があることが分かっている。この物質は、中でも日本産の温州みかんの果肉に多く含まれており、オレンジやグレープフルーツと比べると60倍以上も含まれているそうだ。

みかんは古事記・日本書紀にも登場する。「紀元前70年に天皇の命を受けた使者が、不老長寿の果物として中国から持ち帰った」と記録されているそうだ。もしかしたら日本人が世界一長生きなのは、みかんのおかげだったりして。 ・・・ああ、そろそろ勉強に戻ります。

参考Webサイト
みかんの歴史
日本人とみかん
みかんの効用
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by hicello | 2005-10-16 13:32 | グルメ

1年生のアドバイザー

組織心理学の1年生に一人日本人が入学してきた。昨年まで私自身、先輩にいろいろお世話になったので、今年は私が1年生の勉強を見てあげることにした。

図書館の一室を予約して2時間ほど一緒に教材を見て復習をした。彼女は大学を出たばかりで社会人経験がほとんどないにもかかわらず、人事管理などの授業の中身をしっかり消化できているようだ。私の去年の今頃の状態よりよっぽど優秀である。私のように1年目の新学期で落ち込んでしまうようなこともないだろう。

やる気でいっぱいの人を見ていると、こちらも頑張ろうという気分が沸いてくる。最近、学生生活に慣れてきたこともあり、いろいろ新しいことを始めてパワーが分散してしまいがちだったのだが、また初心に戻って新鮮な気持ちで取り組もうと思った。新入生から逆に教えてもらってしまったようだ。
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by hicello | 2005-10-14 07:00 | 組織心理学

TAと学生の恋?

d0004292_1405030.jpg木曜日の午後はコロンビア日本語学科のティーチング・アシスタント(TA)としてLewisohnホールの地下にある語学学習室(Language Lab)で働いている。担当しているクラスは全部で7人と人数が少ないので、じっくり発音を見ることが出来て良い。今学期のクラスの学生は、何故か7人中6人が韓国人や韓国系アメリカ人である。韓国語の名前は発音が難しくそれぞれ似ているので、最初は覚えるのが大変だった。授業3回目くらいから学生の顔も覚えて、それぞれの名前を呼びかけながら発音練習ができるようになった。

語学学習室の設備は写真にあるように、生徒各自の席にコンピュータとヘッドホンが用意されている。私は授業中は教師席のヘッドホンをつけて生徒たちと直接会話をすることができる。

教師席のコンピュータ画面には、四角いボタンで生徒の席が表示されている。このボタンを押すと生徒の発音が一人ずつヘッドホンを通じて聞こえてくると言う仕組みになっている。今週の課題の練習をしてもらう1時間の間に、私が生徒の発音を数回ずつ直していく。次から次へとボタンを押して切り替えていくので、意外に忙しい。

まずボタンを押して生徒の発音を聞く。発音で直すところが見つかったらもう一度ボタンを押して生徒に呼びかける。

Hiromi「Yoonさん、繰り返してください。『おおさかじょうこうえんえきに行きます。』」
Yoon「おおさかじょうこうえん・・・。」

韓国人の学生は発音がうまい。日本語と韓国語は発音が似ているためか、話し方がとても自然である。本当に上手な人の場合、地方の訛りのような抑揚を東京弁の抑揚に直す程度の微妙な直しだけですんでしまう。

それに対して、ヨーロピアンアメリカン、アフリカンアメリカンの学生はどうしても外国人っぽいアクセントがついた発音になってしまう。彼らにとって文章や単語を平坦に発音することは、とても難しいことのようだ。

そういえば、最近、ジュリアード音楽院出身の友人から興味深い話を聞いた。彼女の母親は、コロンビアの大学院出身で、母親が大学院生時代に日本語学科のTAとして働いていた時、同じく学生として日本語を学んでいた父親に会ったそうである。女性の方が7歳年上の結婚である。母親がニューヨークを訪ねて来たときは、コロンビア構内を回って「ここでお父さんと出会ったのよ!」とはしゃいでいたらしい。

もう20年以上前の話になるが、そんな恋愛話もあったのかと驚いてしまった。その2人は年の差とか国籍とか、一般的に障害になりそうなあらゆるハードルを乗り越えてきたのかもしれない。その子供がまたニューヨークに留学して音楽を学んでいるというのは、何とも素敵な話である。

彼女の母親は私と同じ大学院に通い、アムステルダム通り沿いのWhittier寮に住んでいたそうである。20年前にこの場所で日本人の学生が同じようにTAをしていたのか。時の流れと人のつながりを感じて、思わず感動してしまった。私の場合は、クラスで教えている間は生徒の発音を直すのに精一杯で、とても生徒とそんな雰囲気になるような余裕はないなぁ・・・。(笑)
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by hicello | 2005-10-13 22:07 | 未分類

アメリカの組織と個人の関係

組織コンサルティングクラブのネットワーキングイベントが開催された。場所はアムステルダム通り沿いにあるRadio Perfectoというバー兼レストランである。私は夜のクラスが終わってから参加したので9時半に現地に到着した。

私はイベントの予約受付を担当していたので、参加者の勤務先や名前、コンタクト先を記載した名簿を作成してイベント幹事のLeilaに配ってもらうことにした。参加者は全部で37人。皆、それぞれの経験について話し合って出会いを楽しんでいるようだったので良かった。

新入生のジェニーと話をした。彼女はMerrill Lynchに勤務しており、LondonとNYの2つのオフィスで人事として働いた経験があるそうだ。アメリカとイギリスの2つの人事の仕事を経験してみて、国による文化の違いが人事施策にも現れていると感じたと言う。

例えば、レイオフを行うとき、アメリカでは「ビジネス状況悪化のためレイオフを行います」と社員に報告したのに対し、イギリスでは「ポジションの重複(Redundancy)のためレイオフをします」と呼びかけたらしい。人事施策にしても、それぞれの文化に馴染むやり方があるのだろう。

アメリカのレイオフは、情を挟む余地のないサッパリとしたものである。Morgan Stanleyの人事部でインターンをしていたクラスメートに聞いた話で興味深い例がある。彼女がインターンをしていたときに、社内のある部門のレイオフを行ったそうだ。そのときには、まずレイオフ対象社員を全員一つの部屋に集めてレイオフの説明とオフィスからの退出を指示した後、彼らが社内のネットワークにアクセスできないよう即刻、変更を行ったという。

この処置は離職者に社内の機密情報を持ち出されないようにすることが目的なのだが、実際、アメリカではこのようにレイオフを淡々と実行する企業が多い。このような組織と人とのあり方は、この国の個人主義の文化を表しているように思う。

アメリカ人の組織への忠誠心の薄さや、周囲と競争して高いポジションを勝ち取ろうとする闘争心はこのようなシビアな環境の中で育まれているのだろう。集団主義の日本とは対極の立場にあるようだ。
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by hicello | 2005-10-10 14:33 | 組織心理学