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New York Psychologist's Life

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ビオラ奏者の採用活動

Bonsai Quartetのビオラ奏者であるMimiが陪審員制度の義務を課されたため、金曜日のイベント演奏に出演できなくなってしまった。そこで急遽、代わりとなるビオラ奏者を探さなければならなくなった。

そもそもビオラという楽器を弾く人は非常に少ない。バイオリンやチェロを小さな頃から習っている人は意外に沢山いるのだが、ビオラは早くても中学・高校生などオーケストラに参加するようになってから始める人が多い。

また、ビオラは中音域の楽器であり、オーケストラの中ではファーストバイオリンのメロディの裏で地道に細かい音符を拍に合わせて刻んでいることが多い。したがって、どちらかというと表には出てこない地味な(失礼!)パートである。もちろん、ビオラがいないとアンサンブルの音に厚みが出ないので、非常に重要なパートではあるのだが・・・。

このような楽器の性質上、ビオラを選ぶ人自体が少ないため、アマチュアの多くの団体でも不足気味であり、彼らは貴重な存在である。

今日は一日机にかじりついて予習をする予定だったのだが、このような緊急事態にあってはそれどころではない。金曜日に演奏ができるビオラ奏者を急いで探さなくては。

ふと、先週ある授業を聴講したときに話したクラスメートが音楽教育学科専攻でビオラを弾いていると言っていたことを思い出した。そのとき丁度急いでいたこともあって、彼女の連絡先は聞いていなかった。

早速、音楽教育学部のオフィスに駆け込んで彼女の連絡先を聞くことにした。

Hiromi「ビオラを弾くXXXという新入生を紹介して欲しいのですが。」
事務員「残念だけど分からないわ。私たちはどの学生が何の楽器を弾くか全ては把握していないの。」

ガーン。頼みの綱が切れてしまった。音楽教育学部は演奏ではなく教育をプログラムのメインとしているためか、生徒の得意とする楽器についてはあまり情報を管理していないらしい。そこで聴講した授業を登録している友人にClass Webを見てもらったが、ビオラ奏者らしき人物は見つからなかった。彼女もクラスをドロップしたのかもしれない。

そこで今度は昨年卒業したSIPA出身の室内楽仲間に電話をしてみた。しかし、本番が金曜日の夕方早い時間なので、やはり仕事がある身では出演するのは難しいようだ。

しょうがない。こうなったら奥の手を使おう。恥を捨ててColumbiaの大学オーケストラのメンバーリストからダイレクトに誘いをかけることにした。腕のいい奏者をヘッドハンティングするのにはこの方法が最も効率的だろう。気分はExecutive Searchである。

「こんにちは。突然ですがチェロを弾くHiromiと言います。一緒にカルテットしませんか。」

まるでナンパである。突然見知らぬ人に電話してこのようなことを頼むのは非常に勇気がいるものだ。怪しい人物になってしまったようで自分でも奇妙な気分だったが、この際、気にしないことにしよう。結局、学部生のAlisaに快く引き受けてもらった。彼女は以前、カノンやアイネクライネ・ナハト・ムジークなどの曲も弾いたことがあるという。これで一安心。あとは練習だ!
by hicello | 2005-09-20 15:17 | 音楽
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